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大三島

あー、どうしよう。出会ってしまった。

訪れたのは愛媛県今治市の大三島。広島経由で行くとしまなみ海道を渡って1時間ほどのところです。

一番行きたかったのは今治市伊東豊雄建築ミュージアム

六角形が印象的な小さなミュージアムでした。てっきり伊東豊雄のかつての作品とか、スケッチとか、模型が展示されているような施設なのかと思って訪れましたが、期待を(良い意味で)大きく裏切られる施設でした。

展示の内容は「日本一美しい島・大三島をつくろうプロジェクト」と題して伊東豊雄が関わってきたプロジェクトの経過報告、と言えるようなもの。このプロジェクトは2013年あたりからずっと継続しているそうです。

いわゆる町おこしとして呼ばれるような観光客を誘致するようなプロジェクトではなくて、島の暮らしとか自然とか歴史とかを一つ一つ丁寧に拾って、見直して、紡いで、伝えていく島おこしプロジェクト。

主催はNPO伊東建築塾というところで、対話を繰り返しながら実践を続けているそうです。

ほっておいたら忘れ去られてしまうような、凡百の記録集なんかではこぼれ落ちてしまうような、個人個人が持っている小さな物語を丁寧に拾い集めていくこと。

そういうことに心震えるし、そういうことがやりたいんだなってことを再認識させられてしまった。

小さな島(とはいえ瀬戸内海で5番目に大きいそう)にいながら感じたことは、「世界は広い、ずっと広い」ということ。

いろんなことの根源を辿れば、もっともっと遠くにいける。

根源といえば、大三島には大山祇神社という神社がありました。

創建は594年、推古天皇のとき。祀られているのは和多志大神という神で、天照大神の兄にあたるそう。

そもそも大三島は古く御島(みしま)と呼ばれ、文字通り神の島であり、日本の根源とも言える場所。

天然記念物に指定されているご神木が30本以上あり、中には樹齢2600年と推定されるものも。

海の神、山の神、そして戦いの神として祀られており、奉納された武具が収められた資料館や国宝館は必見です。国宝・重文がこれでもかというほど展示されています。

鎌倉時代の木や紙でできたものがこれほどまでに形を留めているのは一体どんな保存の仕方をしたのか。

忘れられないのは天智天皇が奉納した武具と、唐代の銅鏡。

また、昭和天皇が海洋生物調査に使った船が収められている海事博物館も圧巻でした。

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