伊吹島レポ
瀬戸内国際芸術祭の会場の中で、一番西の島、伊吹島に行ってきました。
いりこ漁が盛んな島です。
伊吹島に行く観音寺の港では見送りたいの方々が「いってらっしゃーい」の横断幕と旗を振って見送ってくださりました。
これだけでもわくわくが高まります。
島、というのはそもそも地形が隆起していたり、その周囲が沈降してしまったがためにできているものなので、多くの島では港、即・坂!というハードな地形をしています。
伊吹島も例外ではない。というか他の島と比べてもハードでした。この坂道が延々続きます。
島の人たちが「あとちょっとだからがんばってー!」と声をかけてくださったり、途中の丁度良い場所の焦点でいりこだしを飲ませてくださったり(そしてそのままお土産のいりこを購入)・・・。ありがたい。
やっとたどりついた旧伊吹島小学校には豊福亮+Chiba Art Schoolによる〈沈まぬ船〉という作品。このいっぱいあるのは浮きですね。島の人たちと作ったもので6万個あるそうです。教室にも、廊下にも、階段にも展開されています。
同じく旧伊吹島小学校に展示されていたのは、コンタクト・ゴンゾの〈伊吹島ドリフト伝説〉
伊吹島の急な傾斜の坂や入り組んだ道を題材にした作品で、バイクで島を一周するゲームでもあります。坂を上ったあとにさらに身体的に島を体感できる作品でした。
気合い入れて乗ったのに、あと3分でゴールできなかった・・・。
こちらはみかんぐみ+明治大学学生による〈イリコ庵〉
食プロジェクトの一つでご飯を食べることも可能です。
本当はゆっくりご飯を食べたかったけど、結局時間がなくてイリコの天ぷらを食べ歩きしました。
集落のなか、あちらこちらに展開されているのは小林耕平さんの〈ト・ラ・ン・ス・フォー・マー―島に成る―〉
島に住む、とかではなくて、身体的に島に成ることを促しています。そこから俯瞰して見れるものがあるのかなと思いますが、インストラクションが抽象的であんまりピンとこなかった・・・。
道中にあったのは井戸に関する石碑。
やはり水は人が生きていく上で必須のものですが、特に島と言う環境だと重要な存在だったことが伺えます。
ここはかつての幼稚園だった場所で、いまは民俗資料館になっています。
かつての島の暮らし・イリコ漁に関する展示と合わせていくつかの映像作品も展示されていました。
特に島の言葉をテーマにした作品が面白かった。
いわゆる方言、というよりも平安時代からの言葉が残っているんだそう。島ってすごい。
島のおじさんに激推しされて、島の小中学校へ。
子どもたちの声が遠くから聞こえてきて、やっぱり産業(イリコ漁)があるから人口減・過疎化とはいえまだまだ子どもがいるんだなぁ。
ここでは写真には撮れなかったけど、アサギマダラという蝶がやってきており、小学校の花壇で見れました。薄い青、浅葱色のきれいな蝶で、伊吹島には毎年秋にやってくるんだそう。
集落を歩いているといくつかのお家の軒先にこんなかわいいお接待が。
船の時間により、3時間半程度の滞在で島をあとにします。
帰りは大漁旗を振って見送って下さいました。