讃岐の晩餐会を観てきました。
瀬戸内国際芸術祭で、指輪ホテルによる「讃岐の晩餐会」という公演を観てきました。
指輪ホテルというのは羊屋白玉さん率いる劇団ですが、晩餐会という名の通りただの演劇公演ではありません。
簡単にいうと、指輪ホテルがお客さんをお接待するイベント。
「お接待」というのは聞きなれない言葉かもしれません。
四国ではお遍路さんの文化があるわけですが、お遍路さんが長い長い距離を歩くお遍路さんに対して、お茶を出したり、ゆっくり休んでもらったりすることを「お接待」というそうです。
まずは高松駅からバスに乗ります。
バスガイドさんは指輪ホテルの劇団員さんで、瀬戸内のこと、讃岐のことを紹介してくれている間にあっという間に会場に着きました。
会場は高松市の栗林(りつりん)公園です。ボランティアガイドさんから栗林公園を案内してもらいます。
日本三大庭園の後楽園が海を挟んでお隣の岡山県にありますが、負けずとも劣らない(と、ボランティアさんが力説していた)すばらしい庭園です。
そうこうしていると、どこからともなくにぎやかな音楽が聞こえてきました。
讃岐の晩餐会に行こうとする青年とともに、奥へ奥へと案内されます。
普段は入れない芝生の上を、役者もお客さんも一緒に歩いていきます。
後ろの山の借景が美しい。
連れて行かれた先には三本足のカラスと白いウサギのような女性が転がっていました。
どこまでが役者で、どこまでがお客さんか、もはや分からなくなってきました。
香川県の多くの方が役者や舞台美術などで関わっています。
そして最後に導かれたのはこちらの建物。
この中で晩餐会の始まりです。
香川の美味しいものをふんだんに使ったコース料理が運ばれてきます。
サーブする人はどこぞのホテルの方、というわけではなく、香川県の方々(ボランティアなのか、芸術祭関係者なのかはよく分からない)です。その方々とゆっくり食材の話をしたり、「どこから来られたんですか?」といった話をしながらのお食事です。
お食事だけでなく、食器も讃岐にまつわるものばかりです。
そして最後にお土産までいただきました。保多織の巾着のなかには和三盆が入っていました。
暑い暑い夏の日の、夢のようなお接待でした。